官民で国産AI開発「1兆パラメーター」目指すほか

隔週でAI分野の最新トピックをピックアップしてお届けする「AIニュース」。
今回お届けするのは、2025年12月下旬号です。

生成AIが「実験段階」から「実運用・産業インフラ段階」へ本格的に移行していることがはっきり見えるラインナップです。
画像・動画生成の分野では、FLUX.2やQwen-Image-Layered、Nano Banana Proのように高品質・低コスト・編集しやすさが重視され、単なる“作れるAI”から制作工程そのものを再設計するAIへ進化しています。
一方でNotebookLMやドキュメント執筆系の記事が示すように、使いこなし(コンテキスト設計・構造化出力)が成果を左右する段階に入り、プロンプト力=実務スキルになりつつあります。
同時に、NVIDIAのSchedMD買収やAI向けミニPCの台頭、GPU競争の激化は、生成AIがクラウドだけでなくローカル・オンプレ・HPCまで含めた“計算基盤の覇権争い”に突入したことを物語っています。
さらに、米国の規制統一や日本の1兆パラメータ級AI構想からは、AIが国家戦略レベルのインフラとして扱われ始めた現実も見て取れます。

総じて言えば、
「どのAIを使うか」よりも「どの工程・どの環境にどう組み込むか」が価値を生むフェーズに入った。
そんな転換点を示す記事群となっています。

画像生成AI(モデル/新技術/比較・活用)

画像生成AI「FLUX.2 [max]」が登場、GPT Image 1.5やNano Banana Proに近い性能で低コスト

新たに登場した画像生成AI「FLUX.2 [max]」は、高品質な画像生成性能を持ちながら、コストを大幅に抑えた点が特徴です。GPT Image 1.5やNano Banana Proに近いクオリティを実現しつつ、商用利用や大量生成にも適したモデルとして注目されています。
https://gigazine.net/news/20251217-flux-2-max-image-generation-ai/

Z-Image-Turboの特徴と活用方法!高速・高品質を実現する軽量画像生成モデルを徹底解説

Z-Image-Turboは、高速生成と高画質を両立した軽量な画像生成AIモデルです。処理負荷が低く、ローカル環境やリアルタイム用途にも向いており、開発者やクリエイターが幅広いシーンで活用できる点が強みです。
https://weel.co.jp/media/tech/z-image-turbo/

画像をレイヤー分けできるAIモデル「Qwen-Image-Layered」が登場

Qwen-Image-Layeredは、生成した画像をレイヤー構造として分解できる新しいAIモデルです。背景やオブジェクトを個別に編集できるため、デザインや映像制作のワークフローを大きく変える可能性があります。
https://gigazine.net/news/20251222-qwen-image-layered/

2025完全ガイド:Qwen-Image-Layered – 革命的なAI画像レイヤー分解技術

Qwen-Image-Layeredの仕組みや活用方法を詳しく解説したガイド記事です。画像生成と同時にレイヤー情報を扱える技術が、今後のクリエイティブ制作に与える影響について整理されています。
https://zenn.dev/czmilo/articles/79e2591255e5df

画像生成AI「Nano Banana Pro」で判明した“ストーリーボード革命”

Nano Banana Proを活用することで、ストーリーボード制作が大幅に効率化される可能性が示されました。映像制作や企画段階におけるAI活用の新しい可能性を紹介しています。
https://ascii.jp/elem/000/004/361/4361720/

Meta 独自モデルの画像・動画生成AI「Mango」「Avocado」を開発へ、2026年前半投入見通し

Metaは、独自開発の画像・動画生成AI「Mango」「Avocado」を2026年前半に投入する計画を明らかにしました。生成AI分野での競争激化を背景に、自社技術の強化を進めています。
https://www.sbbit.jp/article/cont1/177495

動画と画像生成の両面で強化された最新AIモデル Wan 2.6 シリーズが公開!

Wan 2.6シリーズは、動画生成と画像生成の両方で性能が強化された最新AIモデルです。映像制作やコンテンツ制作の現場で、より高い表現力と効率を実現します。
https://cginterest.com/2025/12/19/%E5%8B%95%E7%94%BB%E3%81%A8%E7%94%BB%E5%83%8F%E7%94%9F%E6%88%90%E3%81%AE%E4%B8%A1%E9%9D%A2%E3%81%A7%E5%BC%B7%E5%8C%96%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%9C%80%E6%96%B0ai%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB-wan-2-6/

生成AI活用(プロンプト/執筆/制作ワークフロー)

ChatGPTに渡すべきは「質問」ではなく「コンテキスト」と「ナレッジ」

AIを有効活用するためには、単なる質問ではなく、前提条件となる「コンテキスト」と「ナレッジ」を与えることが重要だと解説しています。AIへの“質問力”を高めるための考え方と実践的なヒントがまとめられています。
https://note.com/hituji1234/n/n1974d879f1e3

AIを活用したドキュメント執筆技術

生成AIを活用したドキュメント執筆の考え方や手法を解説しています。効率化だけでなく、品質を高めるためのAIとの付き合い方がテーマです。
https://note.com/michiomochi/n/nffa93191b5e9

日テレ、「生成AIフル活用」ドラマ放送へ

日本テレビは、生成AIをフル活用したドラマを放送すると発表しました。映画「8番出口」制作プロダクションやサイバーエージェントが協力し、映像制作の新たな可能性を探ります。
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2512/22/news079.html

NotebookLM(機能アップデート/使いこなし)

NotebookLMのスライド生成で結果を自在にコントロールする方法【番外編】

NotebookLMを使ったスライド生成機能について、出力結果を意図通りにコントロールするための工夫やテクニックを紹介しています。生成AIを資料作成に活用する際の実践的なノウハウが詰まった内容です。
https://note.com/yoshifujidesign/n/nd9458ae338a4

NotebookLMに新機能 表形式で出力できる「データテーブル」

NotebookLMに、情報を自動で整理し表形式で出力できる新機能「データテーブル」が追加されました。資料作成や情報整理の効率を大きく向上させる機能です。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2073130.html

NotebookLMで表を作成する新機能『データテーブル』を試してみた

NotebookLMの新機能「データテーブル」を実際に試し、その使い勝手や活用シーンを検証した記事です。実務での具体的な利用イメージが分かりやすく紹介されています。
https://dev.classmethod.jp/articles/notebooklm-datatables-sample/

AIインフラ/HPC(買収・ソフト・運用基盤)

NVIDIAがAIソフト会社SchedMDを買収

NVIDIAは、ジョブスケジューラー「Slurm」を開発するSchedMDを買収しました。SlurmはTOP500スーパーコンピューターの65%以上で採用される実績を持ち、GPU管理や大規模クラスター運用に強みがあります。今回の買収により、NVIDIAはAI計算基盤の支配力をさらに高める狙いです。
https://gigazine.net/news/20251216-nvidia-acquire-schedmd-slurm/

AI規制・政策(政治/法制度)

トランプ氏、州独自のAI規制法を阻止する大統領令に署名

トランプ米大統領は、州ごとのAI規制を阻止し、国家レベルで統一したAI規制枠組みを構築するための大統領令に署名しました。AI産業の競争力維持と規制の一本化を重視した動きとして注目されています。
https://www.cnn.co.jp/tech/35241591.html

AI向けPC/ローカル推論マシン(実機レビュー・セットアップ・価格)

“AIミニスパコン”に大興奮。ヘビー級ローカルLLMもさくさく動く「夢のマシン」

NVIDIAのLPDDR5x 128GBユニファイドメモリを搭載した「ASCENT GX10」は、ローカルLLMも快適に動作する高性能ミニPCです。AI開発者向けの新たな選択肢として注目されています。
https://www.gizmodo.jp/2025/12/asus_ascent_gx10_handson.html

卓上サイズでVRAM 128GB搭載ミニPC、ASUS「ASCENT GX10」を遊び尽くしてみた

ASUS ASCENT GX10を実際に使い込み、その性能や使い勝手を検証したレビュー記事です。卓上サイズながら、AI用途で圧倒的なメモリ容量を活かせる点が評価されています。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/nishikawa/2072125.html

DGX Spark互換機(ASUS Ascent GX10)を買ったのでメモ(セットアップ等)

ASUS Ascent GX10を購入し、セットアップや初期設定のポイントをまとめたメモ記事です。これから導入を検討する人に役立つ実践的な内容となっています。
https://zenn.dev/gpsnmeajp/scraps/0161990dab097e

[ドスパラ]ASCENT GX10 585,530円

ドスパラで販売されているASCENT GX10の製品ページです。価格やスペックを確認でき、購入検討の参考になります。
https://www.dospara.co.jp/SBR1899/IC559368.html

GPU/グラフィックボード(対抗・候補)

対抗馬:Ryzen AI Max+ 395「GMKtec EVO-X2」393,990円

Ryzen AI Max+ 395を搭載したGMKtec EVO-X2は、ASCENT GX10の対抗馬として注目される高性能AI対応PCです。価格と性能のバランスが比較されています。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2058820.html

対抗馬:GeForce RTX 50シリーズ(GDDR7)

GeForce RTX 50シリーズは、GDDR7メモリを採用した次世代GPUとして注目されています。AI処理や高負荷な生成タスクでの性能向上が期待されています。
https://kakaku.com/pc/videocard/itemlist.aspx?altTitle=00004

AMDが突然、新Radeonを発表!『Radeon RX 9060 XT LP』。既存製品より低消費電力に。

Radeon RX 9060 XT LPは、消費電力を抑えつつ性能を調整したモデルです。省電力志向のユーザーや特定用途向けGPUとして位置付けられています。
https://www.nichepcgamer.com/archives/amd-radeon-rx-9060-xt-lp.html

日本のAI開発(官民プロジェクト/基盤モデル)

官民で国産AI開発、ソフトバンクなど出資で新会社…世界潮流の「1兆パラメーター」目指す

官民合わせて総額3兆円規模となる国産AI開発計画が明らかになりました。ソフトバンクなどが出資する新会社を設立し、1兆パラメーター規模の基盤モデル開発を目指します。世界的な大規模AI競争への本格参入を示す動きです。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20251220-GYT1T00281/

2025年は、生成AIが「すごい技術」から「当たり前に使う道具」へと大きく立ち位置を変えた一年でした。
今年一年、このブログを読んでくださり本当にありがとうございました。生成AIの進化スピードが速い中で、少しでも「今、何が起きているのか」「どこが面白いのか」を整理する助けになっていれば幸いです。
それでは皆さま、良いお年を。そして来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

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